Who am I?
記憶にある最初の国際的事件は、米軍のグレナダ侵攻(1983年)である。7歳だった。機動戦士ガンダムに出てくる月面都市グラナダに発音が似ているから、興味を引いただけだろう。同じ流れで、都立大学駅近くの雑貨店「グラナダ」も耳から離れなかった頃がある。「グラナダに行く」と両親に言われて、白昼夢のような昂揚を覚えた幼き日のこと。
レーガン、中曽根、サッチャー、コールそして鈴木俊一。そんな安定指導者が君臨した80年代は私にとって大切な時代だった。直接見聞きをしたのは、ごく身近な、半径1キロぐらいの小宇宙しかなかった思い出のアルバム。恥ずかしながら、プラザ合意(85年)の存在を知ったのは、その10年後ぐらいになってからのことだ。ブラックマンデー(87年)は頭の隅をかすめる程度の印象しかない。
だが、冷戦終結には間に合った。転校生のS君の影響で、小学校6年生の頃から国際情勢に関心を持つようになっていた。新聞のテレビ欄以外を読むようになったし、テレビのニュースを見るようになった。ゴルバチョフがスターだった。アフガン撤退をテレビで眺めつつも、ムジャヒディンのことは知らなかった。
変わるのだ。何事も。開くことができるのだ。堅牢に見えた要塞も。世界が目に見える形で、鮮やかに変わったという体験は鮮烈だった。
「新世界秩序」から「文明の衝突」へと流行は移ろう。あの頃の希望は今、どこにあるのか。